小児鍼灸
小児鍼灸
Pediatric Acupuncture
小児鍼灸とは
お子様を対象にした鍼灸の施術です。乳幼児から始められる施術で、一般的な施術とは異なり、主に刺さない鍼を使用し施術を行います。当院では小学生のお子様からを対象にしております。
小児鍼灸の目的
はり・きゅうは薬などを使わず元々身体が持っている自然治癒力(自分で病を治す力)を高めて、不調を取り除きます。
小児鍼灸はこの自然治癒力が大人に比べ子どものほうが強いという点を活かし、それを高めることで弱っている機能を回復させていくのが目的です。
どんぐり鍼灸院にはこんなメリットがあります
自宅で受けられる
身体障害により移動が困難なお子様や
精神障害により環境の変化に敏感なお子様が
普段の生活の場で施術を受けられます。
祝日も対応可能
予約の状況によりますが、祝日も対応しているので
学校が休みの日に施術を受けられます。
ご家族の負担を軽減
私たちが自宅へお伺いする訪問施術なので、
移動などご家族の負担も少なくなります。
医療保険が使えます(医師の同意が必要)
医師の同意を得た場合、医療保険が使えます。
また福祉医療受給者証にも対応しています。
~保護者の声~
50代男性
中学生/視覚障害
視覚障害の息子がお世話になっています。息子は目が見えない分、他の子どもよりも身体が緊張しやすいのかかなりこわばってるようです。学校が休みの日にしていただいて私も付き添えるので本当にありがたいです。
30代女性
小学生/小児脳性麻痺
小学生の娘でも鍼灸をしていただけると聞き来ていただいています。元々別で療育に通っているのですが併せて小児鍼灸をしていただくようになり、なかなか笑うことのなかった娘の笑顔が増え、家族一同喜んでいます。
小児鍼灸の適応症
視覚障害・聴覚障害のほか、以下の症状もはり・きゅうの対象となります。
小児脳性麻痺
胎児期から生後4週間以内の時期に脳神経細胞に損傷を受け、運動障害などを起こす症候群。知的障害や行動障害、けいれん性疾患などを併発することもある。
けい直型
筋肉のこわばり、筋力低下。
(例)両腕・両脚(四肢麻痺)
両腕<両脚(両麻痺)
片腕・片脚(片麻痺)
両脚・下半身(対麻痺)
運動失調型
体の各部の動き(を制御し調整するのが困難になった状態。
手を伸ばした時に震えるような動きがみられる。
アテトーゼ型
腕、脚、体幹の筋肉が不随意的にゆっくりと動く。
小児脳性麻痺の約20%を占める。
混合型
混合型のほとんどが、けい直型とアテトーゼ型の混合。
重い知的障害がみられることがある。
小児脳性麻痺と鍼灸施術
脳性麻痺児の特性として、筋肉のこわばり、上下肢の麻痺、手足がバラバラに動くなどがありますが、これらは脳が損傷を受けた時に運動神経に影響を及ぼすことにより起こります。現在、脳性麻痺そのものを治すことはできないとされています。そのため、可能な方法としては現れている症状を緩和したり、運動機能を高めることなどが挙げられます。
小児脳性麻痺児に対してのはり・きゅうは、筋肉の緊張緩和、血行促進、免疫力の向上などが期待できます。身体を動かすことが困難な為、血流が悪くなり、冷えなどの原因になりそれが元で便秘や下痢といった症状にもつながります。
リハビリ療法などと併せてはり・きゅうを行うことで、運動機能の向上はもちろん、免疫力を高め風邪を予防するという点でも効果が期待できます。
発達障害
自閉症スペクトラム(ASD)・注意欠陥多動性障害(ADHD)・学習障害(LD)の総称で、これらが低年齢で発症し、おおむね12歳までに日常生活に支障をきたすと医師に認められたもの
自閉症スペクトラム(ASD)
対人関係、コミュニケーションが苦手でこだわりが強いのが特徴。
大きく分けて3種類に分類される。
自閉症
知的障害・言葉の遅れを伴いコミュニケーションがとても困難。
高機能自閉症
知的障害はないが言葉に遅れを認め、コミュニケーションが困難。
アスペルガー症候群
知的障害や言葉の遅れはないが、こだわりがある等自閉症スペクトラム特有の症状がありコミュニケーションがやや困難。
注意欠陥多動性障害(ADHD)
集中力が持続しない、落ち着きがないなどの特性がある。
大きく分けて3種類に分類される。
不注意優勢型
特に集中力が持続しない、物忘れが多いなどの特性が著しく認められる。不注意優勢型は大人に多い。
多動性・衝動性優勢型
落ち着きがない・順番を待つのが苦手などの特性がある。
集団の場(保育園・小学校など)で発見されることが多い。
混合型
不注意・多動性・衝動性の特性を持ち合わせた型。忘れ物が多く、じっとしていられないなどの特性がある。
学習障害(LD)
知的発達の遅れはないが、読み、書き、話すなどの特定の分野において著しい困難を示す。
ASDやADHDと併発することも多い。大きく分けて3種類に分類される。
読字障害
文章の中の単語を識別することや、特殊な読みを識別することが困難などの特性がある。
書字障害
言葉と意味を理解していても文字を正しく書けない、文字が反転してしまう、文字の大きさがバラバラに見える等
算数障害
簡単な計算問題が解けない、数の大小が分からない、文章問題で何を問われているのか分からないなどの特性。
発達障害と鍼灸施術
発達障害の原因ははっきりと解明されていませんが、生まれつきの脳機能の障害が原因とされています。
それぞれが持っている特性の程度にもよりますが、はり・きゅうを行うことで、例えば文字で何かを伝えるよりも体が持っている感覚を使うことで刺激になり、集中力の向上などにつながるとの報告もされています。
また、はり・きゅうはマッサージよりも深部まで刺激することができ、自律神経の乱れを整え交感神経と副交感神経のバランスを整えることで感情のコントロールもしやすくなる効果が期待できます。
発達障害の多くは見た目では判断することが困難で、「わがままな子」として捉えられがちです。
その結果、うつ病などの二次障害につながることも少なくありません。
はり・きゅうはそれらの予防に役立つ一つの方法だと考えています。はり・きゅうは副作用も少ないため、薬の副作用が怖いという方にもおすすめです。
気分障害
長期間にわたり過度に気持ちがふさぎ込む(うつ状態)・過度に気持ちが高揚する(そう状態)またはその両方を示す感情的な障害を示す。別名「感情障害」とも呼ばれ、大きく2種類に分類される。
うつ病
長期間にわたり過度に気持ちがふさぎ込む。また、食欲低下や不眠など日常生活に支障をきたすと認められたもの。
双極性障害
長期間にわたり、過度に気持ちがふさぎ込んだり気持ちが高揚したりを繰り返している状態。
「そううつ病」とも呼ばれる。
気分障害と鍼灸施術
気分障害の特性の中に「不眠・食欲不振・頭痛・めまい」等、はり・きゅう適応の特性があります。特に、前者の「不眠・食欲不振」といった生きていくうえで欠かせない睡眠や食事は自律神経が大きく関係しています。はり・きゅうは乱れた自律神経を整えるのにうってつけな方法の一つです。気分障害そのものをはり・きゅうだけで改善していくというのは実際には困難ですが、例えば、普段服用している薬や病院での治療に合わせてはり・きゅうで気分障害によって起こる支障を取り除いていくことで、相乗効果が期待できます。
統合失調症
自分の気持ちや考え、行動などをうまくまとめることができなくなる症状。
大きく3種類に分類される。
妄想型
妄想や幻覚が主体。
対人関係やコミュニケーション、人柄が変化したりなどの症状は見られない。
解体型
感情の変化が激しく、行動の予測がしにくい。最も多い型で、慢性化しやすいともいわれている。
緊張型
突発的な運動性障害
(例)突然あちこち動き回る
奇声を上げるなど。
統合失調症と鍼灸施術
統合失調症は症状の経過により前兆期・急性期・消耗期・回復期に分かれ、それぞれで出る症状は異なりますが、前兆期から消耗期にかけて出やすい症状として共通しているのが、気分障害と同様、「不眠・不安・食欲不振」等が挙げられます。
主な治療法は精神科医の診断のもと精神科でのリハビリや抗不安薬などの服用が一般的で、気分障害と同じく、はり・きゅうで統合失調症そのものを改善していくことは困難ですが、統合失調症によって起こる症状を緩和するのに効果が期待できます。